水鏡-1
冬の帰り道山中湖辺り、満月の明るい道を走っていると何やら巨大な気配を感じ始めた。
振り向くと暗闇にぼーっと浮かぶ富士山の白い影。昼間は綺麗な風景にしか見えない富士山が、人格(神格?)を持った巨人のように見える。まるで下々の人間を「見てるで~」って隅々まで管下に置いているよう。
今宵は風も無い、湖面の波も静か・・・これはもしや「夜の逆さ富士」が見えるのでは・・・と対岸に車を走らせる。的中!、私的には大スクープ。山の風景はひとつとして同じものは無い、季節、気象、時刻、そして機会・・・あまた条件の重積分の産物。今回は、冬、スーパームーン、夜、快晴無風、休日(たまたま通りかかった)・・・が重なったゆえの出会い。
こんな奇跡(大げさ、笑)のシャッターチャンスを逃す手はない。スマホで何度もシャッターを切るが、対岸の車のヘッドライトがホタルの軌跡のように幾筋も宙を舞い、なかなか上手く撮れない。ー5℃の中粘ること1時間、やっと1枚撮れた。もう指先はコチコチで限界。車の暖気で温まり撤収。コーヒーも冷たくなってしまった。今度はいつこの白い巨人に会えるかな・・・振り返り振り返り・・・名残は尽きないが、何はともあれコンビニを目指す(寒~ぃ!)。