山上のパンク野郎
湖のほとりから一面ススキの原っぱを登る。湖畔では野外フェスが真っ盛り、背中のほうからドンチャカ、キャーキャー騒がしい。
ひと汗かいて山頂につく、と、なんとここにもいるではないか、ギンギンのヘビメタ野郎が!・・・。
こ奴らの名前は「フジアザミ」。頭がでかくて妙に人間くさい。ビジュアル系だ。
「とんがってるかあ~ぃ!」、「いえ~ぃ!!」。下界のロックンローラーに負けじ、劣らじそこかしこでノリノリ。山は静かな方がいいが、こいつらのお陰でドンチャカも今日はいい。
「まあ、せいぜい夏の終わり楽しんでねー」、そんな感じで富士山はでんとしている。
富士山、あなたはいつも寛容だ。
あれっ、急に湖畔の音が音痴なアイドル系に変わったぞ。やばい脳波が犯さる。
早く下りよう。「じゃあ、パンク野郎どもまた来年!」と親指でグーして超音波にゆれるススキの原っぱを駆け降りる。